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[Taka-Talk]大ヒット曲{Mr. Bojangle}の本当のモデル

本日、大好評を博し、僕も楽しませて頂いたタップダンスショウ{シューズオン}が閉幕してしまいましたね。

出来れば、もう一度拝見させて頂きたい!と思ってましたが、調整が出来ず観に行けませんでした。

残念!

またの上演を期待したいと思います。

ところで、ご覧になった方々は、ご存知の通り、このショウの中に、Bill Bojangles Robisonにスポットライトを当てた演目がありました。

この演目は、Sammy Davis Jrが歌い、大ヒットした{Mr. Bojangle}という曲の歌詞に基づく内容で、演目はとてもクオリティーの高いモノでした。

ちなみに、この曲は、J J Walkerというカントリーソングのシンガーソングライターによって1968年にカントリーソングとして吹き込まれた曲ですが、Sammyはジャズで歌って大ヒットしたので、今はジャズスタンダードの一つになってます。

また、歌詞の内容は「大スターだった{Bojangle}と呼ばれてたタップダンサーが、年老いて、アルコールに溺れて、落ちぶれて・・・」といった悲しい内容で、先日の演目もそのストーリーに沿ったモノでした。

尚、この曲のモデルが、僕らタップダンサーが尊敬する{Bill Bojangles Robison}だと思ってる方々も少なくないと思いますし、僕も我が師匠であるJimmy Slydeから史実を聞くまでは、そうなんだと思ってました。

・・・が、実は、この曲のモデルは、Bill Bojangles Robisonではなく、{Bojangle}と名乗ってた老人であり、全くの別人なんです。

当のBill Bojangles Robisonは、アルコールは全く口にしなかった方だったそうですし、非公式ではありますが、ニューヨークの市長と呼ばれてた事からもお分かになる通り、人望も厚く、多くの方々に尊敬され愛されてましたから、考えてみれば、彼がモデルではある筈が無いんです。

尤も、凄い大スターでお金も沢山稼いでた彼ですが、生活に困ってる子供達の面倒をみてた為、晩年は無一文に近い状態だった様で、彼のお葬式の費用は、公私共に仲の良かった名司会者のEd Sullivanがポケットマネーから出したそうで、墓地に向かう埋葬の車がブロードウェイを進む時、50万人を超える市民が沿道を埋め尽くし別れを惜しんだたそうです。

僕が直接聞いたワケではありませんが、Hani colesも同じ事を言ってたそうですよ。

多くの方々は、Sammyの歌の印象があまりにも強く、歌詞と史実をコンフューズして伝わっちゃったんでしょうね。

あっ!それに、2001年にGregory Hines主演で{Bojangles}という映画(日本未公開)が上演されましたが、この曲の歌詞と同じ様なストーリーだったので「Bill Bojangles Robisonのストーリーなのに、本当の彼の生涯とは違ってる!」と物議を醸したんですよ。

脚本家が、「本当のBillの生涯だと、映画にするにはパンチが弱い!」と感じたのかもしれませんね。

確かに内容はBillの生涯とは異なるんですが、僕としては、この映画が上演された事や大きいスクリーンでBill Bojangles Robisonのタップが観れた事、更にGregory HinesがBillへの絶大なる敬意を込めて演じてた事がとても素晴らしく思いました。

先日のシューズオンの演目も、この曲の歌詞に基づいた演目であり、ステアタップを披露した火口さんをはじめ、出演された皆さんの敬意を込められてるワケでして、それを批判してるワケではありませんから、誤解の無き様よろしくお願いします。

尚、この史実について、先日の僕のライブで歌って下さった若山さんのホームページにも詳しく載ってますので、興味のある方は、是非ご覧下さい。

http://www.ozsons.com/mrbojangles.htm

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