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[Taka-Talk]ジャズの何が楽しいのか 其の壱

先日、ジャズと呼ばれる音楽が大好きである…という事を書いたところ、「楽しく感じる様になる為の聴き方等があれば、書いて欲しい!」とのリクエストを頂きましたので、複数回に分けて書く予定です。

というワケで、今日は{其の壱}。

尚、楽しく感じる為の聴き方は、人それぞれだと思うので、{僕はこういうところに楽しさ感じる}という事を書きたいと思います。 ※タップの話も少し混ぜます。

{其の壱}
即興(インプロorアドリブ)の妙

ジャズ演奏における最大の魅力は、なんと言っても{即興演奏の妙}だと思います!

音楽における即興とは…言わずもがなだと思いますが、瞬時に作曲したり、編曲しながら演奏を行う事でごさいまして、当然ながら、出鱈目ではございません。

ジャズと呼ばれる音楽演奏の全てにおいて…ではありませんが、基本的に{リフ(テーマややコーラスやメロ)}と呼ばれる特定のフレーズを最初に演奏してから、奏者が入れ替わりながら、即興でソロを取り、最後に再びリフに戻ってエンディングに向かいます。

また、2回目以降、{ラストリフ}に行く前に、{セカンドリフ}として、オリジナルとは異なるアレンジや即興的な要素を加える事や、{トレード}と呼ばれる掛け合いもあったりで、カッコ良いセカンドリフやトレードはグ~ンと盛り上がるところですね。 ※僕は、ラストリフの事をラストテーマとかラストコーラスとかバックテーマとかバックコーラスとか言いますが、混乱を避ける為に、ここではリフという言葉で統一しました。

イントロ→フロントリフ→ソロ廻し→トレードやセカンドリフ→ラストリフ→エンディング…という感じで展開するのが一般的ですが、イントロをやらないで、リフから始まる事やリフを最後の数小節までやらない事もあり、やり方は様々です。

ちなみに、{improvisationインプロヴィゼーション}は英語で、{ad-libアドリブ}はラテン語由来の英語であり、同じ様な意味ですが、日本ではジャズ界でも、{アドリブ}と呼ばれる事が多いと思います。

あっ、タップダンスにおいては{インプロ}と呼びますね。

この即興演奏は、特例を除き、コードをベースに進行して行きますが、あくまでも決まってる事はコードであって、どういうフレーズで唄う(演奏する事)のか?…は、奏者の独自の表現であり、素晴らしい奏者のソロには思わず唸ってしまいます。

ドラムやパーカッションやタップは音階が出せないので、コード進行が無関係なのか?…というと、全くそうではなく、今どの部分を演奏してるのか?…という共通認識を持たなくてはいけないので、コード進行は凄く重要です。

…が、タップの場合、ミュージシャンから「どこをやってても良いから、適当なところでキュー(合図)をくれれば良いよ!」と言われる事があります。

それで良いんだ!…と思う方が居るかもしれませんが、それは共通認識を持てない…という事であり、悔しいので、そう言われない様にしたいところではないでしょうか?

尤も、それを自由に出来るというメリットとして捉える人も居るかもしれませんが…。

あっ、即興に関して、ソロを取ってる奏者だけではなく、コンピング(合いの手)を入れるバックの奏者の妙も聴きどころですね!

つまり、ソロ演奏を除き、ミュージシャン同士の音での一瞬一瞬の会話が大切であり、一人よがりで自己中心的な演奏はバランスが悪くなります。

尤も、圧倒的な表現力を持ったメインとなる奏者が終始引っ張る事に終始する場合もあり、必ずしもそれが悪でもありません。

とは言え、圧倒的でもない限り「だったら一人でやれ!」と言われても仕方ないので、複数名で演奏する場合は、やはり音での会話が魅力だと思います。

こういう事を意識してないタップダンサーが、ミュージシャン達のジャムセッションに入った時に、ステップの派手さや凄さを出そうとして、音での会話が出来ず、嫌がられる事もしばしば。

ちなみに、タップダンスを趣味として楽しんでる方々の遊び場として開催されてるタップジャムもありますので、それに関して、僕がとやかく言うつもりはありません。

…が、ジャズの楽しさや素晴らしさを知りたい!…とお考えの方が、アマチュアを含め、プロを目指すミュージシャンが参加してるジャムセッションに参加する場合は、タップダンサーがミュージシャンに嫌われない為にも、その点をキチンと踏まえる必要がありますので、お気を付けください。

ジャズはセオリーのある自由な音楽であり、無秩序ではないんです。

やっぱり、沢山聴く事で、楽しさや素晴らしさをより強く感じられると思います!

Have fun !

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