[Taka-Talk]境界線
オリンピックのロゴマークの{パクリ疑惑}は皆さんもご存知の通りですね?
・・・というより、もう疑惑ではなく{パクリ事件}になってますけど。(笑)
そんな中、つい先日、テレビを観てて、面白いコメントをしてたので、書く事にしました。
まず、そのテレビでの内容から、お話しします。
①今の中国がその筆頭にある様に、パクリは、発展途上国には見られる事であり、戦後の日本もそうだった。
②素人は玄人の素晴らしさを真似る事から始まる。
③ポップスに於けるヒット曲には、実は{カノンコード}と呼ばれる王道コード進行と呼ばれるモノが多く、また、ジャズ演奏に於けるスタンダードナンバーのアドリブもパクリという事になりそうだが、これらはパクリとは言えない。
④そこで難しいのが、境界線の線引きという事になるが、今回のロゴマークのパクリ疑惑は疑惑ではなく、パクリ事件である。
特に僕が聞き入ったのは、ジャズ演奏に例えたところですが、確かにその境界線は難しく分かりづらいかもしれません。
まず、僕らのライブパフォーマンスではジャズ演奏として、スタンダードナンバーを演奏してるんですが、当然ながらパクリだとは思ってないんです。
とは言え、誰かのフレーズをコピーしたモノは、{ジャズ演奏}とは言えません。
えっ?分かりづらいですか?
では、あくまでも僕の見解ですが、ジャズ演奏について、解説させて頂くと、ジャズ演奏に於いて、オリジナル曲を演奏される方々もいらっしゃいますが、多くの演奏者は、過去のスタンダードナンバーを題材に使って行う自己表現であり、コピーをする事ではないんです。
そこで、線引きしやすいのが、ブラスバンドやディキシーバンドと、ジャズバンドの違いです。
ブラスバンドやディキシーバンドの場合は、アドリブの部分も譜面に書かれてたり、誰かのフレーズを真似たモノである事が多いのに対して、ジャズバンドの場合は、{その演奏者ならでは}の{自分の表現}なんです。
勿論、ブラスバンドやディキシーバンドを{偽物のダメな演奏}と言ってるワケではなく、ジャズ演奏との境界線という意味です。
これは、当然ながら、タップにも同じ様な事が言えます。
タップには、多くのメジャーなピースが存在し、その中に、最も有名な{Sim sham simmy (シムシャムシミー)}という32小節のピースがありますが、このメジャーなピースは元々は、リンディーホッパー(スイングダンサー)が作ったピースをタップにアレンジしたモノというのが定説です。
尚、このシムシャムシミーというピースの名前は、シムシャムシミーというリンディーホッパーが作ったという説と、女性が下着のシミーズを揺らして踊ってたからという説がありますが、どちらが正しいのか?は明確になってない様です。
では、これがパクリか?というとそれは違うと思うんです。
ただ、このピースを使いながらも「自分が作った(振り付けた)!」となど言ってしまうと、それは嘘なワケで、パクリという事になるでしょう!
それから、僕のトレードマークになってる{スライド}という、フロアを滑るステップを例に挙げると、僕はスライドをやりますし、Jimmy Slydeの弟子ではありますが、Jimmyと全く同じスライドを自分のスライドとしてやる事は、例外を除いて無いんです。
ちなみに、スライドというステップは、他のステップと同様に、Rudiment(基本理論)があり、そのRudimentを基にして、自分ならでは定義を持ってスライドをやるんです。
なので、JimmyのスライドにはJimmyのスライドの定義、僕のスライドは僕のスライドの定義があって、{そっくりそのまま}真似てやると、パクリになるんです。
では、例外とは何か?という事になりますが、それは、彼に敬意を表し、また、Jimmyのスライドという事を明確にした上で、彼のスライドをやる事があるからです。
境界線をキチンと踏まえてやらないとパクリになりかねません。
勿論、自分の知識や技術を高める為に、マスター達のステップ真似て練習したり、分析する事は、とても勉強になりますから、大いにやって下さい!
ただ、真似てやる時は、誰のステップであるのか?を明確にしましょうね!
また、誰のステップであるか?を明確にしたとしても、そうなってない事もありますから、やる時はキチンと理解してやりましょう!(笑)