[Taka-Talk]師匠と弟子、先生と生徒
僕は時々「我が師匠であるJIMMY SLYDE・・・」とコラム等に書く事があって、{師匠と弟子}と、{先生と生徒}の違いについて、ご質問を受ける事があります。
同意語として捉えてる方も沢山いらっしゃると思いますが、僕の認識では、かなり意味が異なります。
ご説明すると、下記の様な事です。
まず、{師匠と弟子}は、現役で活動するAという人物に敬意を持つBが「弟子になって教わりたい!」と望み、BがAに弟子入りを願い出、AがBの想いを受け入れ、師弟関係を結んだ人間関係であり、師匠は弟子を一人前になるまで育て上げる責任を持つ事になり、弟子は育てて貰う代わりに、師匠の金銭面以外の日常のサポートをして教えを乞うというモノです。
{先生と生徒}は、先生は物事を教え導き、生徒はその代償として、金銭を支払うというモノです。
つまり、{教え、教わる}という行為自体には違いが無いかもしれませんが、過程や幅が大きく異なるワケです。
また、{師弟関係}では、 師匠は複数名の弟子を持つ場合はありますが、弟子は一部の例外を除いて、複数名の師匠を持つ事はありません。
それに対して、{先生と生徒の関係}では、特定の先生のみに教わってる生徒さんも少なくありませんが、基本的には、教わる方は複数名の先生から教わる事は可能ですし、多くの先生方から教わる事は、新たな知識や技術を得る事にも繋がりますから、僕自身も多くの先生方から教わって来ました。
あと、師弟関係を持ってなくても、教わる方が、長年慕ってる先生に対する敬称として「師匠」と呼ぶ方もいるっしゃる事がありますが、敬称として使われてるという事なんですよね。
また、前述の例外とは、師匠から{破門}を宣告されて縁が切れてしまった場合や、ある理由から弟子が師匠との縁を切ってしまった場合で、その場合は「元師匠」とか「元弟子」となって、師匠が複数名になる事はありますが、基本的には、弟子にとって師匠は一人だけなんですよ。
あと、それらの言葉を同意語の様に捉えてしまう要因は、もう一つあると思います。
近年の日本のタップ界では、スタジオ間の交流も盛んになって来て、特定の先生に限定して教わってる方は減ってきましたが、25年位前までは{通ってるスタジオ以外の先生から教わる事はご法度}という時代でした。
当時、タップスタジオを経営してた先生にとっては、他のタップスタジオは商売敵であり、凄く敵対し合ってて、生徒さんが他の先生から教わろうと思うと、普段教わってる先生に隠れて教わりに行かないといけなかったり、それがバレるとスタジオを辞めさせられたりしたんですよ。
だから、スタジオに通ってるだけなのに、師弟関係をもってる様に捉えてた方が多かったんでしょうね。
そういう理由で、今でも長年教わってる(関わってる)先生を{師匠}と呼び、先生も長年通ってる(関わってる)生徒さんを{弟子}と言ってしまうんでしょうね。
僕が長年メインで通ってたスタジオ、タップインの加藤先生は、僕にとってずっと大切な{先生}ですが、師匠ではなく、僕の師匠はJIMMY SLYDEであり、彼の弟子は、Van Poter 、Rocky Mendes、そして僕(Taka Slyde)の3名しか居ません。
だから、VanやRockyは兄弟弟子であり、ARTNのみすみさん、仙台の佐藤勝さん、宇川、KENTAはタップイン時代の先輩や後輩であり、兄弟弟子ではないんです。
この言葉の違い、ご理解頂けましたか?