[Taka-Talk]Tokyo Internationl Tap Festival
タップをやってる方々はご存知の方も多いと思いますが、関東地域では、大きいタップフェスティバルとして、4月に{National Tap Day}(NTD )、ゴールデンウィークに{Tokyo Internationl Tap Festival}(TITF )、9月に{Kawasaki Tap Festival}があり、刺激を受ける意味でも、タップ界を盛り上げる意味でも出来る限り観に行く様にしてまして、一昨日はTITFを観に行って来ました。
※ 9月の{Kawasaki・・・}は、いつも僕自身のライブツアー前なので、ナカナカ行けませんが、 TITFは皆勤賞です。
TITFの主催者側の主旨としては、アメリカから数名のプロタップダンサーを招聘し、彼らを講師にワークショップを開き、最終日には講師を務めたプロタップダンサーと、日本人プロタップダンサー達が集結し、パフォーマンスし、日本のタップ界の発展を目的にしてる様ですが、 僕が感じてるTITFの最大の魅力は、何と言っても、世界中に数名しか居ない女性のタップマスターの一人である{Dianne Walker}の素晴らしいパフォーマンスが観られる事に尽きます。
また、彼女以外、そして海外からのゲストのパフォーマンス以外からも刺激を受ける事が多く、日本のタップフェスティバルの中では、クオリティーの高いタップパフォーマンスを観る事の出来るモノだと思います。
ただ、主催者側が考えてる、プロダンサーと呼ばれる人の{括り}に関しては、僕とは大きな隔たりがある様に感じてるのも事実です。
僕は、以前から「タップの先生=プロのタップダンサーとは限らないし、その逆もまた然り。(双方とも優れた方はいますが、極稀です。)」とコラムで書いてますが、特に今回はそれを強く感じました。
勿論、タップマスターであるDianneは超一流のプロダンサーである事は言うまでもありませんが、今回に限らず、海外から招聘されたダンサーの全てが超一流と言える程のスペシャルなタップダンサーなのか?また、日本人のプロダンサーが集結という売り文句はどうなのか?・・・どこまでをプロダンサーとしてるのか?等、?マークのオンパレードです。
・・・一応僕はプロのタップダンサーなんだけど、出演した事ないしなぁ。
あっ!今回、僕も初めて出演オファーを受けたんですよ。
内容面で合意に至らず、出演を見送りましたけど。
念の為言っときますが、ギャランティー面で合意に至らなかったワケじゃありませんよ。
ハッキリ言って、お金で左右される程、僕は簡単に出来てませんからね。(笑)
ところで、今回のステージの感想は?というと、とにかく、Dianneの素晴らしさに尽きます。
彼女のパフォーマンスには凄く期待してましたが、期待以上でした。
数年前は、ちょっと元気が無く心配してたんですが、一昨年より昨年、昨年より今年の方が体調も良いと感じました。
何が素晴らしいか?と言うと、彼女の奏でるサウンド(tone、rythm、groove)、メロディックなムーヴメント、タップに向き合う姿勢、お客さんを引き込む空気感や楽しませる技術等、どれを取っても超一流!
本当に素晴らしく、タップマスターと称されるのは当然です。
最高ーっ!
ただ、冒頭でも、少し触れた通り、残念な事も無いワケじゃありません。
海外からのゲストを含め、プロのタップダンサーというより、教える事を生業にしてる先生が多いのでは?と思うんです。
勿論、「先生は必ずしもタップダンサーとは限らないんだから、出るな!」とは言いませんが、「先生とは、人を育て導く事が仕事だと思いますが、あなたが育てた優秀なタップダンサーは居ないんですか?」「核となる役割で出るのであれば、そのスキルを得てからにした方が説得力がありますよ。その役割を務める力が無いんだったら、アンサンブルだけにした方が良いと思いますよ!」と言いたい事は沢山ありますよ。
何度も書いてますが、先生=プロダンサーとは限らないんですよ。
また、海外からのゲストの一人、Derickの振り付けで多くのアマチュアダンサーが出てましたが、いやはや何とも・・・どう言えば良いのか?
出演した方々は納得してるんでしょうか?
一昨日のステージを観た方で、彼らのパフォーマンスに感動した方がいらっしゃれば、水を差す事になってしまいますが、 ハッキリ言って、DerickもChloeも超一流どころか、いたって普通のレベルだと思いましたよ。
あのレベルのタップダンサーは、日本人のアマチュアタップダンサーにも居ますからね。
事実、僕はDerickと一緒に踊ったRON ×Ⅱや、Chloeと踊ったYoshikoちゃんの方がずっと技術は高く、魅力的に感じましたよ。(笑)
ちなみに、RON×ⅡやYoshikoちゃんは、プロとしても活躍してる素晴らしいタップダンサーですが、まだまだ超一流ではなく、そういう僕も超一流には程遠い段階でしかありませんからね。
とは言え、TITFは、ステージだけのタップフェスティバルではなく、ワークショップとステージがワンセットになってるフェスティバルイベントなので、良い先生を招聘して、日本のタップ愛好家に受講して頂き、スキルアップを図って頂くという事に関しては、良い企画だとは思いますよ。
それに、毎年Dianneを招聘して下さる事で、僕らが、彼女の素晴らしいパフォーマンスに触れる事が出来るワケですから、その事に関しても、本当に素晴らしい!と思ってますよ。
また、この規模のフェスティバルを仕切るのは本当に大変だと思いますし、常にスペシャルなタップダンサーを招聘する事は難しいのも理解はしてますよ。
ただ、超一流ではないタップダンサーを、Dianneの様な本当の超一流のタップダンサーと同列に並べ{超一流}と持ち上げる事は、事実と異なるワケだし、お客さんにもタップダンサーの卵にも勘違いさせてしまうと思いますから、もっと明記方法を考えて欲しいモノです。
こうやって書くと、「口うるさい奴」とか「悪口ばっかり言う奴」「ズバズバ言い過ぎる」と言われたり、嫌な思いをする方もいるかもしれませんが、 僕は基本的に、自分の考えに正直でありたいと考えてますから、それを変えるつもりもありません。
人は知名度や噂に頼ってしまう・・・特に日本人の多くは自分の感じた事を曲げてまでも迎合してしまう傾向にあると思いますが、僕はそれが大嫌いなんですよ。
例え間違ってたとしても、自分が感じた事に対して正直で居て、間違ってたと分かれば改めれば良いと思うんです。
ちょっと面白い話がありますので、書いておきますね。
僕が若い頃(10代後半)に、Dianneが踊ってる姿を映像で観た事があって、生で彼女のパフォーマンスを観た事のある先輩のタップダンサーが「Dianneは凄いよ!」と言ってたんですが、僕は「どこが凄いのか分からないし、全然凄いとは思わない!」と言うと、その先輩は「まぁ、今は分からないかもしれないけど、タップを正しく続けてれば、そのうち分かるよ!」と言われ、小馬鹿にされた様な気がして、ムカッ!としたんですが、渡米して、Dianneが踊る姿を生で観て、何も知らず分からなかった自分に恥ずかしくなり、一人で真っ赤になってたら、Jimmyに「Dianneに恋したの?それは正しいよ!」って言われて益々真っ赤になって、そこに居たみんなに笑われましたが、それ以降、すっかりDianneの大ファンになったんですよ。
人は誰でも、最初は無知で未熟で、間違った解釈をしてしまうモノですが、その間違いは、成長する為に必要な事だと思うんですよね。
ちなみに、Dianneは来年も来日されるそうなので、是非生で観て頂きたいと思います。
地方にお住まいの方々が、東京まで観に来られるのは、大変だと思いますが、大金を使ってでも観に来る価値は特大ですよ。
ちなみに、TITFには、素晴らしいプロのタップダンサーであり、素晴らしい先生でもあり、僕の大親友でもある松ちゃんこと松本晋一さんも観に来てて、終演後は一緒に呑んで、タップ談義に華を咲かせましたよ。
松ちゃん、また呑みに行こうね!