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[Taka-Talk]ジャズタップって言われても…分からないですよね?

以前にも書いた事がある様な気もしますが、僕は基本的にタップシューズを楽器にジャズを演奏するスタイルのタップをやってますが、多くの方々のタップダンスに対するイメージは違う様で、『えっ!?タップシューズを楽器にジャズを演奏する?』とビックリされる事があります。

ただ、1940年代中盤から1960年代にかけては、メジャーなビッグバンドには、ほぼ全てのビッグバンドにも専属のタップダンサーがいましたし、僕の師匠JIMMY SLYDEの様に、ビッグバンドには所属しなくても、デュオやトリオやカルテットとして活躍されてたジャズタップダンサーも多く居ましたから、珍しい事ではなく、そんなにビックリする事ではないんですけど、まぁ普通はご存知ないですよね?

それに、2000年代に入ってからは、僕の様に《ジャズを〈演奏する〉タップダンサー》は日本に限らずアメリカでも少数だし、ジャズミュージシャンでも(ニューヨークでは別ですが…)、タップダンサーと演奏した事のある方々はそんなに多くないので、確かに珍しいというか、アンダーグラウンドな世界であるのは間違いないですね。

ちなみに、ジャズミュージシャンと同様に即興で踊り演奏する《ジャズタップ》に対して、ジャズ演奏に合わせて予め振り付けしたモノを踊る《リハースドタップ》というモノもありますが、それは《ジャズタップ》ではありません。

というより、《リハースドタップ》の中にはジャズに合わせて踊る方も多いので、《リハースドタップ》を踊るタップダンサーの中にもジャズに合わせて踊れば《ジャズタップ》を踊ってる!と思ってる方々も多くいらっしゃる様ですが…それはチョット違うんですよね。

勿論、ジャズタップじゃないから『音楽的ではない!』とか、『レベルが低い!』と言ってるワケじゃないですよ。

現実、僕が大好きなタップダンサーに松本晋一さんという方がいますが、彼はリハースドタップで踊る素晴らしいタップダンサーですが、ジャズタップは踊らないし、今やカリスマ的な存在である浦上雄次君は、ジャズタップダンサーではないけど、ジャズミュージシャンと共演する時は、絶妙にコミュニケーションを取りながら踊りますからね。

ちなみに、僕はワークショップ等でジャズタップを教える事はなく、いつもタップの基本とその応用例を伝えてますが、もしジャズタップをやりたいのであれば、ジャズを学ばなくてはいけません。

時々、『Takaさんの様にジャズタップを踊りたい!』と言ってくれる方が居て、『じゃあ、ジャズの演奏を沢山聴いて、まずジャズセオリーから学びましょう!』と言って教え始めたりしますが、ジャズと呼ばれる音楽の仕組みや史実を学び、実践する事が必要不可欠になって来るので、学ぶ量も膨大だし、頭で理解したからと言っても、すぐに思い通りに身体が動かせるワケではないので、『そんな事まで考えないといけないんですね!』と頭を抱えてしまいます。

分かりますよ!

そういう僕も、20代前半の頃、尊敬するジャズミュージシャンに『君に限らず、タップの人は音楽(ジャズ)を知らないからね。音楽をやりたければ、ちゃんと勉強して練習しないとね!』と言われた事があって、あの時は本当に悔しくて仕方なかったんですが、今思えば、ジャズセオリーなんて、何にも知らなかったんですよね。

僕の実家はレコード屋で、子供の頃から、ジャズマスター達のライブやコンサートで生演奏にも沢山触れて、理論もある程度は分かってたつもりでしたから、本当にショックでしたよ。

でも、セオリーを学び、実践しようとすると、僕のやってる事は全くの的外れだったので、言われても仕方ない事でした。

その時は、本当に悔しく、腹が立ちましたが、今となっては、その方に感謝!感謝!ですし、勿論、今も勉強中…一生続くんでしょうね!

でも、漠然としたモノじゃなくて、明確なモノになれば、他の楽器奏者とのコミュニケーションもスムーズになる筈ですからね。

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