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[Taka-talk]うん!良い感じだ!

2年以上前に購入したのに、月に2~3回しか履かれる事のなかった僕の一番新しいタップシューズ。

しかも、2時間履いたら、別のシューズに履き替えるという感じ。

というのは、近年のこのシューズの革は、とても硬くて足が痛くなるからです。

というワケで、柔軟剤を使って柔らかくする事にしました。

まず、リムーバーで、汚れや靴墨をしっかり落とし、数回に分けて柔軟剤を染み込ませる様に様に塗布。

メチャクチャ柔らかくなった!とは言えませんが、ナカナカ良い感じです。

というか、メチャクチャ柔らかくなったら、劣化が早まりそうで怖いですけどね。(笑)

ちなみに、このシューズは、Capezio社のK360というアメリカ製のタップシューズで、僕は10代後半から現在に至るまで、30年以上に渡り、最も優れたタップシューズとして愛用し、生徒さんやタップ仲間にもお薦めして来たモノ。

アメリカ製の…と書いたのは、どういうワケか、K360と表記され売られてるモノの中には、アメリカ製とブラジル製があり、革の材質や作り方等、クオリティーの異なるのに、同じ値段で売られてるからです。

20代前半に、それを知らず、ブラジル製を購入してしまった事があって、あまりの違いに落胆し、購入したお店(パピヨンさん)に抗議した事がありました。

お店の方も、メーカーからそういう事を聞かされてなく、僕がクオリティーの違いを指摘して初めて知り、当時の担当者がメーカーに掛け合って下さり、それ以後は全てアメリカ製のみを入荷する事が出来る様になったという経緯があるんです。

尚、当時このK360を扱ってた取扱い店はいくつかありましたが、アメリカ製を仕入れる事が出来たのは、パピヨンさんと、ベースメントさんだけで、パピヨンさんが閉店してしまった今は、ベースメントさんだけが取り扱い店ですね。

尤も、ベースメントさんは、僕がアメリカ製とブラジル製の違いを指摘したワケではないので、どこからか情報を入手して交渉されたんだと思いますけどね。

ちなみに、現在もニューヨーク店でこのシューズを購入する場合、普通に購入するとブラジル製になるので、アメリカ製を入手出来る日本は凄いんです。

尚、このアメリカ製のシューズには、アッパーにゴートスキン(山羊)が使われており更に言えば、ゴートスキンの中でもキッドスキンと呼ばれる希少革が使われてるそうで、この革は柔らかく滑らかで、シボ(革を作る過程で出来た凹凸)と呼ばれる銀面(表面)の美しいのが特徴です。

そして、本底と呼ばれるソール(靴底)部分には丁寧に鞣(なめ)され、強度の強い牛革(恐らくイタリー)が採用されておりました。

一方、ブラジル製も、名目上は同じモノとなってる様ですが、アッパーの革が硬く、これもゴートスキン?と疑問が残ったし、ソールは波打ちイビツで目が粗く、更にシューズを作り方も雑で、見た目にも左右の形状が異なり、見た瞬間にバランスの悪さが分かるほど

購入して数回で自分用としては履かなくなり、某スタジオのレンタルシューズとして寄付したので、手元には残っておりませんが、当時は本当に腹が立ちましたよ。

同じモノだと信じて買ったので、騙されて偽物を掴まされたという印象だったんです。

お店への抗議は、抗議という生易しいものではなく、殴り込みに近い感情だったので、お店の担当者もビックリされた事でしょうけど、それ以来、懇意にして頂いたので、今となっては良かったと思います。(笑)

…と、とても優れたシューズだったこのK360ですが、実は近年、革質のクオリティー、作り手(もはや職人とは呼べないレベル)の技術の低下を感じざるを得ない状況です。

今回、柔軟剤を塗布し、写真をアップしたこのシューズも、数年前までは、そんな手を加えずとも、直ぐに足に馴染んだんですけどね。

このシューズは現時点でも、最も高価なシューズですから、最低限のクオリティーは保って欲しいところですが、それはメーカーの意向次第ですからね。

僕は、自分で色々と手を加えられますが、多くの方々が出来るのは靴磨きくらい?

メーカーの意向で、シューズのクオリティーが下がってしまうのは企業の方針なので仕方ないかもしれませんが、良い状態にするには手間が掛かり過ぎるので、ちょっと{お薦め}しづらいシューズになって来た感じはありますね。

写真の説明(配列順)

①ゴートスキン(キッドスキン)

②磨いた状態(右足)と磨く前の状態(左足)

③両方磨いた状態

④最近はまってるロー引き{平}のシューレースを通したシューズ

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