[Taka-talk]目指して欲しいけど…。 ※例によって長文です。(笑)
僕らプロのタップダンサーは、観る事や学ぶ事や練習する事は仕事の一つですから、常に優先順位のトップに置いてますが、会社員や学生の皆さんは、そういう時間を作る事は容易では無いと思います。
そんな中、先日、プロのタップダンサーを目指したい!と言う高校生から相談を受けました。
どうやら、現時点では、タップを学ぶ事はおろか、練習する時間を作りづらい状況の様で、高校を卒業してからプロを目指すのでは、遅いんじゃないか?と危惧してる様なんです。
僕は、退路を断つ意味で、高校2年で中退して、プロを目指した人なので、自分の事を棚に上げてしまう事になりますが、固い決意が無い限り…というより、固い決意があったとしても、高校は卒業してた方が様に思います。
というのは、膝や腰を痛めてしまい、普通の生活は送れるものの、タップが踊れないという様な状況には絶対にならないとは言えない事、また、たったの高校3年間でプロになるのが不利になるとは思わず、高校をキチンと卒業してからでも遅くないし、プロのタップダンサーになる事を諦めた時でも、中退よりはツブシが効くと思うからです。
あと、プロのタップダンサーとして活動はしてても、必ずしもコンスタントに仕事が入って来る保証はなく、コンスタントに生活費を稼げてる人は{ほんの一握り}である事も知っておかなければなりません。
大多数の方々は、タップ教室の先生をやりながらだったり、別の仕事を持ちながら活動してるんです。
僕自身、収入の少ない時にも生活が出来る様に、複数の登録制のアルバイトに登録してます。
というより、登録制のアルバイトは全く入ってないと仕事を回して貰えなくなるので、それなりに収入のある月も複数回は、そういう仕事をする様にしてるんですよ。
また、収入を得る為に、タップを教えながら勉強すれば、そのうちプロダンサーになれるモノなのか?という質問もありました。
確かに、そうすれば、常にタップに携わる事が出来るので、それも方法の一つではありますが、教える先生はタップの楽しさや素晴らしさや知識や技術を伝えたい!という意欲に溢れる方にやって欲しいし、そういう意欲の無い方のレッスンは、きっと魅力的じゃないと思うんですよね。
勿論、そういう意欲に溢れる先生で、尚且つキチンと生活収入を得られてる先生もいらっしゃると思います。
ただ、{教える事も踊る事も同じタップなんだから一石二鳥}とはならない事も知っておくべきだと思います。
それは、プロのタップダンサーとしてパフォーマンスする事と、タップ教室で教える事は、同じタップでも全く別物だからです。
解り易く言うと、タップ教室に通う生徒さん達の多くは、プロのタップダンサーを目指すのではなく、マイペースで楽しく通いたい方々であり、細か過ぎたり、厳しいと通ってくれなくなり、スタジオ経営が困難になってしまいます。
逆に、タップダンサーとしてパフォーマンスする場合、お客さんは、次元の高いパフォーマンスを期待し、高いお金を支払って観に来て下さるワケであり、プロのタップダンサーだからこそ出来る{期待を裏切らないパフォーマンス}をする責任があって、その為にやるべき事は、クラスで教えてる内容とは異なって来ると思うんです。
そういう僕も、タップを教えてますが、僕のレッスンは、{タップダンサー目線の細かい内容}なので、長いタップ歴の中での不鮮明な知識や技術を鮮明にし、更なる上達を図る為のモノです。
この教え方は、僕自身、タップダンサーとして高いモチベーションを保てますが、多くの生徒さんはプロを目指してるワケではないので、スタジオ経営には不向きであると言えます。
とは言え、細かく厳しいレッスンは、初心者の方々には不向きである点も踏まえ、7月に初心者向けに、楽しむ事を目的にしたWSを開催する事にしてみたんですけど、さ~てどうなんでしょう。(笑)
話は逸れましたが、プロのタップダンサーとして生活して行くのは容易ではなく、その為には、{{大きな覚悟が必要}}だという事を忘れてはいけないんです。
勿論、プロのタップダンサーって凄くやり甲斐があって、メチャクチャ楽しいですけどね。(笑)