[Taka-Talk]大人が真剣に取り組む学芸会
今夜、{2016年の東京リズム劇場}というタップダンスのショウを観てきました。
東京近郊でタップダンスをやってる方々でしたら、一度はご覧になった事があると思いますが、このショウは、{タップ名作劇場}と称して、アニメや有名な物語のパロディーをタップダンスでやってみたり、タップダンス界のあるあるネタでお客さんを楽しませる等、観てて楽しく、開催されれば必ず観に行ってる僕ですが、昨夜このショウのコンセプトというモノを初めて知り、「なるほど!」と納得すると同時にその謙虚な言い回しに心の中で「いいね!」をしました。(笑)
そのコンセプトが、冒頭のタイトルに書いた{大人が真剣に取り組む学芸会}です。
もし、これが{大人が真剣に取り組むショウ}だったら普通ですが、{ショウ}ではなく、{学芸会}としてる謙虚な言い回しが洒落てると思うんです。
というのも、このショウの出演者の多くは、普段はタップダンスを教えてる先生方・・・つまり細かく分類すれば、プロのタップダンサーではないワケで、この言い回しは、とてもスマートで誰もが納得出来るモノだと思います。
そして、これは僕が感じる事なので、皆さんが僕と同じ様に感じるかどうかは分かりませんが、このショウの演出に限らず、力のある演出家が手掛けると、こんな風になるよね!っていう特徴が出てると思います。
それは、難しい振り付けに付いて来れない出演者でも、キャラ立てした役を与えて存在感を出してる事です。
前述の通り、このショウの出演者は、プロのタップダンサーではないにしても、殆どがタップを教えてる立場のある先生方であり、その先生方の生徒さんが観に来た時に「私達の先生は下手くそだった!」と思われない様な配慮が大切なんですよね。
以前「タップの先生であれば、プロのタップダンサーなのか?というと、必ずしもそうではなく、その逆もまた然り。」と書いた通り、プロのタップダンサーとタップの先生は同じくタップに携わってても全く別の職種なんです。
つまり、プロとしてタップに携わる人は、タップダンサーだけではなく、タップを教える先生方や、演出家や振り付け家も居て、先生や演出家や振り付け家がプロのタップダンサーと同等にクオリティーの高いタップパフォーマンスが出来るか?と言うと必ずしもそうではなく、それぞれの役割を果たす事がプロとしての仕事であり、ショウに出た事で、生徒さんからバカにされたり、残念がられたりさせてしまってはいけないんです。
「だったら、先生方は出なけりゃ良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、生徒さん達からすれば「自分の先生がステージに出て活躍してる姿を観たい!」と思ったりもするワケで、先生方も、たまには出て存在感を示さないといけないし、・・・かと言って上手くは踊れないし・・・となるのも必然なので、このショウの演出家である松ちゃんこと松本晋一さんの配慮は素晴らしいんですよ。
では、このショウの全てにおいてタップパフォーマンスとしてのレベルが{学芸会}という程低いのか?と言うと、決してそうではなく、タップダンスが出来る人じゃないと作れない、そして踊れないという振り付けや演出もシッカリあり、タップダンスのショウとしても充分楽しめるんです。
ちなみに、このショウは明日も開催され、当日券も出るそうなので、劇場か事務局に確認の上、是非観に行って頂きたいと思います。
出演者の皆さん!明日も頑張って下さい!