[Taka-Talk]大きく異なる継承と模倣
僕はJimmy Slydeの弟子であり、彼の流れを継承するタップダンサーなので、そう思われてしまうのも無理は無いのかもしれませんが、Jimmyの真似をしてパフォーマンスする事を求められてしまう事があります。
しかし、継承してるからと言って、模倣をするワケではないんです。
尚、継承とは、理論や手法や考え方を受け継ぐ事であり、同じ表現やスタイルを体現化する事ではないんです。
尤も、初心者をはじめ、アマチュアの方々が、技術や表現方法を学ぶ為にプロを真似てみる事は、スキルアップする上でとても良い事なので、模倣する事自体を否定してるワケではなく、プロにさせる事ではないという意味です。
あと、時々目にして「あぁ、やっちゃってるよ!」と思う事があります。
それは、ジャズジャイアントのCDを持ってきて、プロのミュージシャンに「こんな感じの演奏をして下さい!」と頼む方が居ますが、それはとても失礼な事なんですよ。
何故ならば、そのCDでの演奏は、そのミュージシャンの演奏ではなく、プロに模倣させる事になってしまうからです。
まだ自分自身の表現やスタイルを持ってないアマチュアのミュージシャンだったら、喜んで引き受ける方も居るかもしれませんが、プロにそういう事を頼むというのは、そのプロが持つ個々の表現やスタイルを否定してしまう事になりかねないんです。
ミュージシャンを例に挙げると、バド・パウエル派と言われてるバリー・ハリス、エロール・ガーナー系統と言われてる山本剛さん、ジム・ホールの愛弟子である井上智さん。
皆さん、其々の流れは汲んでますが、キチンと自分を持ってらっしゃってて、模倣ではないんです。
タップダンサーも同じなんですよ。