[Taka-Talk]正しいフィッティング
タップシューズは、多くの国々、多数のメーカーが作ってまして、安価なモノから高価なモノまで様々あり、購入する方は、用途や好みによってチョイスします。
安価なモノは5千円台からあり、簡素的に作られてるので壊れやすいんですが「どの位続けられるのか不安」という方には購入し易く、高価なモノはシッカリとした造りで、頑丈なんですが高額で・・・例えば、カペヂオのK360だと、スタンダードなオックスフォードタイプでも3万5千円はします。
しかも、このシューズは購入時にはタップシューズにタップス(金具)は取り付けられてなく、更に取り付け加工をしないといけないので、タップシューズとして使う事が出来る段階だと、安く見積もっても4万5千円は掛かってしまいます。※このシューズにはブーツタイプもあって、更に高額で7万円位はしたと思いますが僕は持ってません。
造りは、フルオーダーの高級靴ほどではないにしても、かなりシッカリ造られてまして、下記の様な段階を経て造られてます。(カペヂオK360を例に)
①木型(ラスト)と呼ばれる人間の足の形をした基本型を元に、靴の形をしたアッパーを抱き込ませていきます。
②原材料は主にゴートスキンと呼ばれる山羊革(オーダーによってバックスキンやエナメル素材も可)で、靴のアッパー各部に裁断(クリッキング)します。※高級靴はこの作業を手作業でやりますが、K360はダンスシューズなので金属製の抜き型で行います
③それぞれの靴アッパーの個所が裁断された後に、それを縫い合わせる作業(クロージング)をします。※縫い合わされた靴のアッパーには裏地処理や芯地が付けられます。
④木型に、インソールを装着させ、ウエルトを縫いつけます。
⑤アウトソール(本底)を仮止めし、縫い合わせます。
⑥底付けの後、ヒールブロックを取り付け、アウトソールに合わせて削り、仕上げます。
以上がタップシューズK360の本体が出来るまでの工程であり、多くの職人さん達の手が掛かってるので、高価になってしまうんですが、世界中の多くのプロタップダンサーに愛用されてる優れたタップシューズに仕上がってるんですよ。※取り付け方法次第で全く別物に作り替えられるのもこのシューズの特徴です。
先日のコラムにも書いた通り、僕もこのシューズを愛用してまして、タップスを取り付ける際の加工作業までしてますが、優れたポテンシャルを持ったシューズなので、アマチュアの方々にも、愛用されてる方々が多いんです。
ただ、折角この高価なシューズを使っててもサイズが合ってなければ、台無しだと思うんですが、時々、全然サイズの合ってないK360を履いてる方を目にする事が時々あって「宝の持ち腐れになってる・・・可愛そうだな!」って思うんですよ。
というワケで、ここから本題!
正しいフィッティングについて書く事にしました。(本題までが長い!)
まず、このシューズ(K360)は、東京の中野坂上のパピヨンさんと、東中野のベイスメントさんで取り扱ってますので、直接フィッティングに行かれるのがベストですが、関東近県以外にお住まいの方々は、直接フィッティングに行く事が難しいと思いますので、その時は相談して頂ければ、別の方法をお伝えしますよ。
このフィッティングは思いの外、複雑です。
USサイズに対しても、オーダーメイドの革靴にも馴染みが薄い多くの方々は、日本サイズ表示を頼りにしてしまいガチですが、そこが実は微妙なんですよ。
というのは、例えば僕は、7インチのE幅というサイズのタップシューズを履いてるんですが、普段履いてるスニーカーは25cmで、革靴は24cmから24.5cmの間で幅もメーカーによって異なります。
つまり、日本サイズで合わせてしまうと、USサイズでは革靴で7インチか7.5インチというサイズになってしまい、迷うんですよね。
あと、サイズ選びを間違えてしまう要因がもう一つあります。
それは、普段履いてる靴(タップシューズ以外)は、革靴を含め、少し大き目のサイズを履いてる方が多いんですよ。
なので、ちゃんとフィッティングしてみて、しっくり来るシューズを選んだ方が良いと思うんです。
その際の、間違えないフィッティング手順を下記しておきますので、興味のある方は参考にしてみて下さい。
{フィッティングの手順}(本来は7E幅が合うとして)
①まず、少し大き目のサイズ、7.5EE幅に足を通し、足指が曲がらない様にシューズ前方まで足を滑らせます。
②すると、踵部分に約0.5cmから1cmの隙間が出来ます。
③つまり、7.5EE幅では明らかに大きい事になりますから、次に一つ幅の狭い7.5Eに足を通し、足指が曲がらない様に前方まで足を滑らせます。
③すると、踵部分の隙間が0.4cmから0.7cmへと変わります。
④この時点では、7.5E幅の可能性もあるんですが、幅が狭くなって足が前に行かないという可能性もあるので、7EE幅を履いてみます。
⑤すると、踵部分の隙間が0.2cmから0.4cmと変わります。
⑥この時点では、7EE幅の可能性もあるんですが、幅が広くて足が前に行ってる可能性もあるので、7E幅を履いてみます。
⑦すると、踵部分の隙間が0になるか、0.2未満になり、ピッタリと合ったシューズという事になります。
※イメージ的には、足全体に隙間がなく、包み込まれてる感じです。
勿論、この逆で、幅の広いEEE幅が合う方や、幅の狭いC幅が合う方もいらっしゃいますが、基本的にこの幅の在庫は少ない(もしくは在庫を置いてない)ので、フィッティングの際、アドバイスを受けながらチョイスした上で、オーダーする事になる事もあります。※この場合三ヶ月から半年位待たされる事もありますし、返品や交換が出来ません。
ともかく、フィッティングに迷った時は、分かる方にご相談されると良いと思います。
勿論、僕も、僕に出来る限りのアドバイスをさせて頂きますよ。