Taka-Tone

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[Taka-Talk]やっと観れました。

年内に絶対に観たい!と思ってた映画を二本、二日間に分けて観に行って来ました。

一つは、ジャズトランペッター{リー・モーガン}のドキュメンタリー映画{私が殺したリー・モーガン}。

リー・モーガンは、10代後半にジャズジャイアンツのディジィー・ガレスピー(tp)に見出だされ、スターになる事を周りの誰も疑わなかった程の素晴らしいジャズトランペッターだったんですが、ある一時期は麻薬に溺れ、その頃は誰も相手にしなくなってしまいました。

彼が麻薬に溺れてる時期に、リーと知り合ったヘレン(後の奥さん)のお陰で薬物中毒から立ち直り、再びジャズシーンで活躍する様になります。

しかし、そのヘレンに銃で撃たれ、33歳の若さで亡くなってしまうんです。

若くして亡くなったジャズジャイアンツは、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、ファッツ・ナバロ、ソニー・クラーク、ポール・チェンバース、そしてビル・エバンス等々、沢山居ますが、その殆んどが薬物の過剰摂取による中毒死。

でも、リー・モーガンに関しては、薬物中毒から立ち直った後に、奥さんに撃たれて33歳の時に亡くなったんです。

亡くなった際の詳しい経緯を知らなかった僕は{スターミュージシャンの明るい未来を奪った酷い奥さん}だと思ってたんですが、実はそうではなかった。

これからこの映画を観る方もいらっしゃると思うので、詳しくは書きませんが、僕は少なくともそう感じ、何とも切なく悲しい気持ちになりました。

でも、観られて良かった。

リー・モーガンを愛しながらも殺してしまったヘレン。

益々、リー・モーガンの演奏が聴きたくなる素晴らしい映画でした。

そして、もう1つはジャズギタリストのジャンゴ・ラインハルトの伝記映画{永遠のジャンゴ}。

この映画は、伝説のジャズギタリスト{ジャンゴ・ラインハルト}のナチス支配下の戦争時代の出来事にスポットをあてたモノで、僕は全く知らなかったストーリーの伝記映画でした。

ジャンゴは18歳の時に負った火傷で、左手の薬指と小指は動かず、人差し指と中指の二本での奏法を編み出した事は有名で、この様に指二本で演奏するギタリストは彼以外に観た事はないんですが、ジャンゴ役の{レダ・カデブ}は、指二本での演奏を見事に再現してて、凄いなぁ…と思いました。

まぁ、専門家であるギタリストから見ると、正確には出来てないのかもしれませんが、僕には分からないのでね。(笑)

あと、劇中に演奏されてた音楽は、ジャンゴが過去に演奏してた音源ではなく、{ストーケロ・ローゼンバーグ トリオ}による収録で、明らかにジャンゴとは異なる音でしたが、素敵な演奏でした。

ジャンゴは、{マイナー・スウィング}をはじめ、多くの名曲を残し、世界各地の多くの有名ギタリスト達が「もっとも影響を受けた“ギターの英雄”」と讃えるジャズギタリストですが、そんな彼の第二次世界大戦中の知られざる物語が、初めて描かれた映画であるという事が、ライナーノーツに書かれてました。

2001年に製作され、伝説のタップダンサー{ビル・ボージャングル・ロビンソン}の伝記映画としてグレゴリー・ハインズの主演で海外で上映された{Bojangles}が史実と少し異なってた様に、ドキュメンタリー映画ではないこの映画が、どこまで史実と符合してるのか分かりませんが、劇中のストーリーは「伝説のジャンゴもこんな時代を生きてた事があったんだ!」と心に突き刺さる内容の映画でした。

ジャズを愛する者の一人として、どちらの映画も期待を裏切らない素敵な映画でした。

上映してる映画館が少なく、上映期間も短いんですが、興味のある方は上映中にご覧下さい。

ちなみに、我が郷里の高知での上映は、残念ながら予定されてないみたいです。(笑)

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